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GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)

カテゴリー:用語説明

2021-12-14

投稿者: osumi

GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)の導入

モールス信号から「GMDSS」へ

「GMDSS:Global Maritime Distress and Safety System(海上における遭難及び安全の世界的制度)」とは、
モールス信号を主体とした従来の海上遭難通信システムに代わって採用された海上遭難通信システムです。

1988年11月に、「1974年の海上における人命の安全のための国際条約」(74SOLAS条約)が改正され、平成4年(1992年)2月に導入されました。

その後、「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」は、国際的な統一ルールに基づく新しい遭難・安全通信システムとして
平成11年(1999年)2月1日から完全実施されています。

この「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」は、
衛星通信技術やデジタル通信技術を利用することによって、モールス信号のような専門的な技術を必要とせず
誰でも迅速かつ確実に、遭難・安全通信を行うことを可能にしたシステムです。

くま
くま
遭難や緊急・安全通信のほかに、
航行警報、気象警報等などの
海上安全情報も提供していマス

「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」の目的

「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」の目的は、
航行していてる全ての船舶が、安全のために必要と考えられる通信を確保するためです。

この安全とは、その船舶自身の安全と、同じ海域を航行している他船の安全のことです。

遭難事故が発生した場合は、自動的な遭難警報の伝達や、簡単な操作での遭難警報の伝達が可能です。

さらに位置確定システムにより位置情報を取得し、
RCC(Rescue Coordination Centers)や、近くにいる船舶が最小限の遅れで捜索救助作業に参加することが可能となりました。

RCCとは、陸上の救助調整センターのことです。
日本であれば海上保安庁です。

「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」に対する航行区域

船舶に搭載されることが要求される無線通信システムの装置は、原則的にその船舶の航行区域によって定められています。

航行区域は、次の4つに分けられます。

A1海域

DSC(Digitel Selective Calling)を使用するVHF(超短波;Very Hight Frequency)海岸局の通信範囲
20~30海里
日本ではA1海域を設定していません。

A2海域

A1海域を除いたDSCを使用するMF(中波;Medium Frequency)海岸局の通信範囲
150海里程度

A3海域

A1、A2海域を除いたインマルサット通信衛星の通信範囲
北緯70度から南緯70度までの間

A4海域

A1、A2、A3海域以外の海域
北緯70度以上、及び南緯70度以上の極地方

「GMDSS(海上における遭難及び安全の世界的制度)」の対象船舶

国際航海に従事する総トン数300トン以上の貨物船及びすべての旅客船が対象船舶とされています。

日本では、沿岸を航行する一部の船舶を除いて、総トン数20トン以上の船舶は、基本的にGMDSS無線設備を設置することとなっています。

よりいっそう
船舶の航行の安全性を高めるためです

まとめ

くま
くま
現在のGMDSSに利用されている通信技術は、25年以上が経過。
2009年から国際的な議論が開始され、
新技術の導入等が進んでいマス
ねこ
ねこ
1912年(明治45年)4月14日の英国籍旅客船タイタニック号の海難事故がきっかけで
「1974年の海上における人命の安全のための国際条約」(74SOLAS条約)
ができたんだね
それからずっと
世界中のみんなで
海の安全を考えてきました

参考

海上で利用する無線システム(総務省)(2021年12月14日閲覧)
URL:https://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/musen/kaijou/index.html

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